こんにちは。ツクリエの古里です。
家づくりの打ち合わせでは、間取りや内装、キッチンの色といった「目に見える部分」の話で盛り上がります。もちろんそれはとても大切な時間です。ただ、私が大工として現場に立ってきた中で、いちばん時間と神経を使ってきたのは、完成すると壁の中に隠れて見えなくなる部分でした。今回は少し地味かもしれませんが、私が家づくりで最も大切にしている「見えない品質」=耐震と耐風への想いについてお話しさせてください。
この記事のポイント
- 大工出身の代表が、完成後は見えなくなる構造にこそこだわる理由
- 鹿児島では地震だけでなく台風・大雨への「耐風」も同じ土俵で考える
- 耐震・耐風・高気密高断熱・平屋は、それぞれ別ではなくつながっている
なぜ「見えない品質」に一番こだわるのか?
私がこの仕事を始めたのは、設計図を描く側ではなく、木を刻み、金物を締め、屋根の下地を張る大工としてでした。現場で何十棟と手を動かしてきて、しみじみ思うのは「家の良し悪しは、住む人には見えないところで決まる」ということです。クロスや床材は後からでも張り替えられますが、柱や梁、基礎、接合部といった構造は、一度組み上げれば簡単にはやり直せません。だからこそ、いちばん丁寧に、いちばん正直につくらなければならない。これが私の家づくりの原点です。
見えない部分は、正直に言えば手を抜こうと思えば抜けてしまう場所でもあります。だからこそ私は、そこにこそ職人の誇りが表れると思っています。完成したお引き渡しのとき、お客様には見えないけれど、私自身は「ここは胸を張れる」と言える家をお渡ししたい。その気持ちが、いまも変わらず一棟一棟に込めているものです。
大工として学んだ、耐震は「地味な積み重ね」?
ここで一番お伝えしたいのが耐震です。地震に強い家、と聞くと、何か特別な装置を入れるようなイメージを持たれるかもしれません。けれど実際の耐震は、もっと地味で地道なものです。壁をどこにどれだけバランスよく配置するか、柱と梁をつなぐ接合部の金物を正しく選び、確実に締めているか、床や屋根の面で建物全体を一体にできているか。こうした一つひとつの積み重ねが、いざというときに家族を守る強さになります。
耐震性能には等級という指標があり、最高は耐震等級3です。数字で示せるのは分かりやすさの点で大切ですが、私が現場で痛感してきたのは、同じ等級でも施工の精度で仕上がりは変わるということです。図面通りに、いや図面以上に丁寧に組む。金物一本の締め忘れも許さない。そういう当たり前を当たり前にやり切ることが、本当の意味での耐震だと考えています。
鹿児島の家は、地震より先に台風と向き合う?
私たちが家を建てる薩摩川内市や姶良市をはじめ、鹿児島は毎年のように台風や大雨と向き合う土地です。2026年も梅雨から夏にかけて、県内で台風や大雨の警報が出る日がありました。地震はいつ来るか分かりませんが、台風は毎年必ずやってくる。だからこそ鹿児島の家づくりでは、耐震と同じくらい耐風を真剣に考える必要があります。
ありがたいのは、地震に強い家をつくる工夫と、風に強い家をつくる工夫は、多くが重なるということです。壁のバランス、接合部の強さ、屋根をしっかり留めること。構造を正直につくり込めば、地震にも台風にも効いてきます。加えて、地盤や土地の水はけを事前に見極めることも欠かせません。強い建物と、それを支える足元。その両方がそろって初めて、安心して暮らせる家になります。地域の防災マップで土地の性質を確認しておくことも、私はいつもおすすめしています。
丈夫さと快適さは、実はひとつながり?
意外に思われるかもしれませんが、耐震・耐風と、住まいの快適さは深いところでつながっています。私たちが力を入れている高気密高断熱の家は、隙間をつくらないよう、材料をぴたりと合わせて丁寧に組み上げていく必要があります。その丁寧な施工は、そのまま構造の一体感、つまり丈夫さにもつながっていくのです。雑につくった家が気密も断熱も出ないのと同じで、丈夫さと快適さは同じ「施工の丁寧さ」から生まれます。
さらに、ツクリエでは第一種換気による計画換気を大切にしています。家全体の空気を計画的に入れ替えることで、湿気やカビを抑え、構造を長持ちさせることにもつながります。ちなみに、より快適さを追求したい方向けに、モデルハウスでは全館空調のような選べる仕様も体感していただけます。まずは高気密高断熱と計画換気という土台の上に、暮らしに合わせて選択肢を重ねていく。そんな考え方でご提案しています。

平屋だからこそ活きる耐震の考え方とは?
近年、薩摩川内や姶良でも平屋を希望されるお客様がとても増えています。平屋は暮らしやすさで人気ですが、実は構造の面でも利点があります。建物の重心が低く、上に大きな重さが乗らないため、地震や台風の力に対して安定させやすいのです。もちろん平屋なら自動的に安心というわけではありません。平屋でも、壁の配置や接合部の丁寧さという基本があってこそ、その強みが活きてきます。
私たちが取り扱う建築家設計の商品「デザインカーサ」でも、平屋のプランは人気があります。デザイン性と暮らしやすさ、そして構造の安定。この三つを両立させられるのが平屋の魅力です。土地の広さや周辺環境に合わせて、無理のない形で強さと美しさを両立させる。それが私たちの得意とするところです。

これからの家に、耐震と省エネはどう関わる?
2026年は、住まいの省エネ性能を後押しする国の支援も動いています。省エネ性能の高い住宅を対象にした補助制度が用意され、断熱や設備への関心もいっそう高まっています。私はこの流れを、とても良い方向だと感じています。なぜなら、省エネのために家を丁寧につくり込むことは、結局のところ耐震・耐風という「見えない品質」を高めることと同じ道の上にあるからです。
光熱費に強く、地震や台風に強く、そして長く快適に暮らせる。バラバラの性能に見えて、その根っこはすべて「正直で丁寧な施工」につながっています。制度や補助は年ごとに変わりますので、最新の内容はご相談いただければ一緒に確認します。大工出身の代表として、私はこれからも、見えないところにこそ手を抜かない家づくりを続けていきます。

まとめ
家の本当の価値は、住み始めてからの長い時間の中で、見えないところに支えられて育っていきます。耐震も耐風も、派手さはありません。けれど、家族の毎日の安心を静かに支えてくれるのは、まさにその見えない品質です。大工として現場を歩んできた私だからこそ、そこに込める想いは誰にも負けないつもりです。家づくりを考え始めたら、ぜひ一度、見えない部分の話も聞きに来てください。
よくある質問
Q. 耐震等級はどのくらいを目安に考えればよいですか?
住まいの安全性を重視するなら、最高等級である耐震等級3を一つの目安に考えると安心です。等級の数字だけでなく、壁の配置バランスや接合部の施工精度と合わせて総合的に判断することが大切です。
Q. 鹿児島では地震と台風のどちらを優先して備えるべきですか?
どちらか一方ではなく、両方に備える発想が大切です。地震への備えと耐風の備えは重なる部分が多く、構造をしっかりつくることで両方に効いてきます。
Q. 耐震性と断熱・気密性能は関係しますか?
関係します。高気密高断熱の家は隙間なく丁寧に組み上げる必要があり、その施工精度は構造の一体感にもつながります。第一種換気(計画換気)と合わせて、長く快適で丈夫な家づくりを目指しています。
Q. 平屋は地震や台風に強いのですか?
平屋は建物の重心が低く、構造的に安定させやすい形です。ただし平屋でも設計と施工の丁寧さが前提になります。土地の条件や暮らし方に合わせて、平屋の強みを活かした設計をご提案します。
ツクリエについて
鹿児島県薩摩川内市の注文住宅会社です。姶良市にモデルハウスをご用意し、建築家設計の商品「デザインカーサ」を中心に、暮らしやすく丈夫な家づくりをお手伝いしています。
- 耐震・耐風を支える正直で丁寧な施工
- 高気密高断熱で一年中快適な住まい
- 第一種換気(計画換気)で長持ちする空気環境
- 建築家とつくるデザインカーサ・平屋の提案力
執筆者プロフィール
古里 公司(ふるさと こうじ)/栄匠建株式会社 代表取締役。大工として現場でキャリアを積み、見えない品質にこだわる家づくりを続けている。薩摩川内市・姶良市を中心に、耐震・耐風・高気密高断熱の注文住宅を手がける。会社概要はこちら
栄匠建株式会社 古里 公司


